2015年12月23日水曜日

初音ミクサンプラー


初音ミクの声をサンプラーに読み込んで即興演奏をしてみました。




SFMMでは初音ミクを歌手の代用として使うのではなく、新しい楽器としてもっと活用できないかということを考えていて、目下様々な試行錯誤を繰り返しています。
今回はそのひとつの方法として、サンプラーを使った実験を紹介します。

ペダルを用いずにそのまま弾くと、このような音になります。




次にペダルを用いた場合。




最後に、ペダルを用いたトレモロ奏法です。
初音ミクサンプラーの大きな特徴のひとつが、このトレモロ表現で、通常の楽器ではなかなか表現ができない、独特の響きを作ることができます。
サンプラーによる音質の変化と、音階によって揺らぎの周期が変化しているため、音が重なることで非常に複雑な響きになっています。




今回は、Native InstrumentsのKontakt 5 を用いて、約1オクターブの間隔で、初音ミクの声を 7本読み込んでいます。



これまでに発表したSFMMの楽曲は、このような手法をいくつも組み合わせて作っています。
今後、このようなかたちで、今までに用いた色々な手法を取り上げてみたいと思っています。
今回はこんなところで。それでは。

2015年12月2日水曜日

ストラヴィンスキー

ストラヴィンスキーと言えば『春の祭典』と言われるくらい、一般的には春の祭典のイメージが強いかと思われます。

ストラヴィンスキーは1882年に生まれて、亡くなるのが1971です。

春の祭典はいつごろの作品かというと、1913年です。

つまりわりと初期の作品に当たります。

春の祭典のイメージの強いストラヴィンスキーですが、春の祭典のような楽曲を作り続けていたわけではありません。

ではどんな曲を作っていったかですが、今回はあえて晩年の楽曲を載せてみたいと思います。


・ピアノとオーケストラのための『ムーブメンツ』




・『レクイエム・カンティクルス』






どちらの楽曲も非常に抽象的だと思います。

何回も聴いていくうちに私ははまっていきました。


抽象的なのですが、ほぼ同時代の現代音楽、例えばブーレーズ、シュトックハウゼン、クセナキス、リゲティあるいはメシアンよりも気に入っています。

1960年代前後の現代音楽と同時期のストラヴィンスキー、抽象的という意味においては近いと思いますが、圧倒的に何かが違うように思えます。

それがなんなのか私自身もはっきりとはわかりません。
しかしそれはストラヴィンスキーとその他の現代音楽作曲家を分ける非常に大きな違いだと私は感じています。



ストラヴィンスキーのその他の楽曲についてもそのうち書いていきたいと思います。